山あいの道をゆっくりと歩いてきた月の三姉妹は、赤い提灯が揺れる小さな茶屋の前で足を止めました。澄んだ空気の中には、お茶の香りと甘い団子の匂いがふわりと漂っています。
「少し休んでいこうか」
そのひと言に、三人の顔には同じようにやさしい笑みがこぼれました。

黄色の着物をまとった姉は、湯気の立つお茶を両手で包み込みながら、ほっとしたように目を細めます。緑の着物の妹は、つややかな団子を手に取り、まるで旅の景色まで味わうように楽しそうに微笑みました。赤い着物の末の妹は、明るい声で何かを話し、二人を笑わせています。
遠くの山々はやわらかな光に包まれ、茶屋の木の机には、旅のぬくもりがそのまま残っているようでした。特別な出来事ではなくても、こうして笑い合い、同じものを食べ、同じ景色を眺める時間こそが、旅を宝物にしていくのかもしれません。
この一枚には、月の三姉妹が見つけた、静かでやさしい幸せがそっと描かれています。


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