
灯台の灯りがぽうっと海を照らし、頭上にはまん丸な月。
その境目のような場所で、月の三姉妹がひざを並べて夜空と地図を見つめています。
左側に座るのは、黄色の着物にうさぎ模様を散らした「満月」の姉。手には真鍮の望遠鏡。真剣な横顔で月と星を追いながら、進むべき方角を静かに見極めています。着物に浮かぶうさぎたちは、昔話の餅つき兎のように、どこか親しみと温かさを感じさせてくれます。
中央の「半月」は、緑の着物にススキの柄。両手で広げた地図に、灯台の明かりがやわらかく落ちています。海図と星図を重ね合わせるように、落ち着いた眼差しでルートを確かめる姿は、三姉妹の中でも調整役・まとめ役といった雰囲気。彼女の周りだけ、時間が少しゆっくり流れているようです。
右側には、赤い着物に三日月模様をあしらった「三日月」。金色のポニーテールを揺らしながら、手にした六分儀を楽しそうに構えています。月明かりとランタンの光が頬や瞳にきらりと反射し、冒険への高揚感がそのまま表情に浮かび上がっているようです。
足元にはコンパスと海図、そして彼女たちを照らす小さなランタン。空では満月が海面を銀色に染め、遠くには小さな船の灯りも見えます。
この一枚は、ただの美しいイラストではなく、「星と月を頼りに、新しい道を探していく女の子たちの物語」を切り取ったワンシーンのように感じられます。
迷いながらも、自分たちの地図を広げて進む——そんな姿に、私たち自身の人生や旅路も重ね合わせたくなる、ロマンあふれる月の三姉妹のイラストです。


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